書籍『やってのける ~意志力を使わずに自分を動かす~ 』
読了後のメモ
自制心だけでは「自分」を動かせない
- そもそも、自制心とは「誰かにはあり、誰かにはない」ようなものではない
- たしかに、自制心に優れている人はいるが、誰にでも自制心はある
- そして、どれだけ自制心が優れていても、失敗はする
「何をすべきかを知らないために失敗する」のではなく
「何をすべきかを知っていながら失敗する」
- 知っていることと実行することは別の話
自制心は筋肉のようなもの
- エビデンス「ラディッシュ実験」
- 自制心の強さは、筋肉と同じように変化する
(個人差があるだけでなく、同じ人でも状況によって強い場合と弱い場合がある。鍛えあげた筋肉でも激しく使えば疲労するように、自制心も疲労する。) - 自制心は、使いすぎると枯渇する
- 自制心は、鍛えなければ衰える
- 筋肉の疲労は休息によって回復する、同じように、自制心も時間と共に回復する
- 自制心が最も弱まるのは、それを使いきった直後
- 自制心の一時的な不足は、褒美や報酬を適切に用いることで補える場合もある
(正確には、報酬によって高められたのは自制心ではなくモチベーション。報酬は適切でなければならない。)
どのように、ゴール(目標)を設定するか?
- 「ベストを尽くせ」ではダメ
(明確な目標が定められていないために、ベストからは程遠い結果しか生み出してはくれない) - 「具体的で難易度が高い目標」は有効!
(あまりにも難易度の高い非現実的な目標ではダメで、「難しいが可能な」目標。人は求められた以上のことをしない傾向があることが理由)
「思考タイプ」をテストする
まず、以下の5つの質問に答えましょう。
- To Do リストを作ることは、、、
a:頭の中を整理すること
b:すべきこと書き出すこと - 家の中を掃除することは、、、
a:快適な住まいをつくること
b:床に掃除機をかけること - 家賃を払うことは、、、
a:生活する場所を確保すること
b:銀行に振込みをすること - ドアに鍵をかけることは、、、
a:家の安全を守ること
b:錠前にキーを差し込むこと - 人にあいさつすることは、、、
a:相手に好意を示すこと
b:「こんにちわ」と言うこと
答えが決まったら
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結果発表~、自分のタイプはどちら?
【1つでも a が含まれている人】自身の行動を抽象的に考えるタイプ
・・・日々の行動を「なぜ」という理由と共に考える傾向がある。
【すべて b の人】具体的に物事を考えるタイプ
・・・行っていることを「何」の視点でそのまま捉える傾向がある。
この2つのタイプには、明確な違いがある。そして、その違いはとても重要。
なぜなら、抽象的な「なぜ」と具体的な「何」の違いは、動機付けにおいてそれぞれよい面とよくない面があるから。どちらの考え方も、ある状況ではプラスに、ある状況ではマイナスに作用する。このため、状況に応じて適切なほうを採用することが大切。
抽象的な「なぜ」の特徴
抽象的な思考は、小さな行動を大きな意味や目的に結び付けられるため、意欲を高めやすくなる。面倒でやる気がわかない作業も、意義のあるものとして捉えられるようになる。
例1)
残業しなければならい時「あと1時間、PCに向かってキーを打つ」 と考えるより、「このひと頑張りがキャリアアップに結び付く」と考える方がモチベーションを上げやすくなる。
例2)
誰かに何かを頼む時。子供に勉強させたい時も「早く教科書を広げて、元素の周期表を暗記しなさい」というよりも、「この勉強は大学入試に役立つよ。すばらしいキャンパスライフを目指して頑張りましょう」という方が子供のやる気を刺激しやすくなります。
具体的な「何」の特徴
難しく、不慣れで、複雑な行動や学習をする必要があるときに、効果を発揮します。
例1)
始めて掃除機を使う人にとっては「家の中をきれいにしよう」と思うよりは、「この道具を使ってホコリを吸い取ろう」と考える方が、うまく掃除機をつかえるはず。
「なぜ」を考えるとやる気が出る
何事であれ、物事は繰り返し行うと、経験が深まり、楽に行えるようになっていく。そして次第にそれを「なぜ」という理由を考えながら行うようになる。
「なぜ」という視点で捉えると、日々の小さな行動にも、意義を感じやすくなります。理由が明確になることで、小さな行動が大きな目標を達成するための一歩に変わる。その結果、衝動的な行動が減り、誘惑にも負けにくくなり、前もって行動を計画するようになる。また、外部的な要因(他者、ツキ、運命)にも左右されにくくなります。
「何」を考えると難しい行動ができる
「何」を基準にすると、具体的な行動(A地点からB地点へどう進むか)に意識が集まる。「なに」の考えには「やる気を高めにくい」「”木を見て森を見ず”の陥穽にはまりやすい」などの弱点はあるものの、複雑な道のりを着実に進みたい時には抜群の効果を発揮する。難しい何かに挑むときはいったん「大きな絵」は忘れ、目の前のタスクに集中するとよい。
このように「大きな絵(なぜ)」と「次の一歩(何)」にはどちらも長所と短所があるため、達成したい目標のタイプに合わせて適切に切り替えることが大切。
例)
やる気や自制心を高めたい場合は、その行動を取る理由(なぜ)を意識的に考えるようにしましょう。
ダイエット中に美味しそうなデザートが載ったお皿が目の前に現れたら、現状を決意した理由を考えましょう。
従業員の働きぶりに覇気が感じられないのなら、仕事の意義を改めて伝えましょう。
複雑で難しく、不慣れな目標に取り組むには「何」の視点が役立つ。
新たに何かを学ぶときは、その行動を細かいステップに分割します。
初めてスキーをするのなら、膝を曲げスキー板の先端をそろえることに集中する。目にもとまらぬ速さで颯爽と滑ろうなどと考えてはいけません。
「目標設定時には達成後に得られるものをポジティブに考え、実際に行動する時は達成のために必要なことを現実的に考える」というアプローチが必要。
- 「まず達成によって得られるものを創造し、次に進路を阻む障害物を熟考する」という目標設定時の思考を心理学者のガブリエル・エッティンゲン教授は目標の「長短比較」と呼んでいます。
例)
希望する企業に就職したいなら、内定をもらった時のことを想像し、次に、その障壁となるもの(ライバルである優秀な学生)を考える。そうすれば、なぜ自分がその会社に就職したいのか、そしてそのためにどのような行動が不可欠なのかがわかります。
暗黙理論
- 人間の資質(知能、性格、運動能力など)は変えられないと考えているか、返られると考えているかが、目標設定に大きく影響する。
自分はどんな人間か?
まず、以下の12の質問に答えましょう。
① 学校や職場では、人よりもよい成績を収めることが非常に重要である。
1:全く当てはまらない
2:
3:
4:
5:よく当てはまる
② 人によい印象を与えることに強い関心がある。
1:全く当てはまらない
2:
3:
4:
5:よく当てはまる
③ 賢さや有能さを周囲に示すことを重視している。
1:全く当てはまらない
2:
3:
4:
5:よく当てはまる
④ 人からどう思われているかがきになる。
1:全く当てはまらない
2:
3:
4:
5:よく当てはまる
⑤ 人から好意を寄せられると、いい気分になる。
1:全く当てはまらない
2:
3:
4:
5:よく当てはまる
⑥ 同僚や同級生よりも、勉強や仕事でよい成績を収めたい。
1:全く当てはまらない
2:
3:
4:
5:よく当てはまる
⑦ 学校や職場では、自分の能力を示すことにエネルギーを注いでいる。
1:全く当てはまらない
2:
3:
4:
5:よく当てはまる
⑧ ときには厳しい意見を言われても、率直な意見を述べてくれる友人は大切だ。
1:全く当てはまらない
2:
3:
4:
5:よく当てはまる
⑨ つねに新しい技能や知識を得ようとしている。
1:全く当てはまらない
2:
3:
4:
5:よく当てはまる
⑩ 友人や知人とは、オープンかつ正直に接している。
1:全く当てはまらない
2:
3:
4:
5:よく当てはまる
⑪ 学校や職場では、つねに何かを学び、自分を成長させようとしている。
1:全く当てはまらない
2:
3:
4:
5:よく当てはまる
⑫ 自分を変化させ、成長させてくれるような人間関係が好きだ。
1:全く当てはまらない
2:
3:
4:
5:よく当てはまる
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結果発表~、自分のタイプは?
【1~7の合計を7で割る】証明型(ビーグッド)のスコア
【8~12の合計を5で割る】習得型(ゲットベター)のスコア
どちらのスコアが高かったでしょうか?
お腹が空いている時は魚をもらうより、魚の釣り方を教えてもらう。
誰かの助けを得ることの重要性
【便宜的支援】単に自分ではこなしきれない仕事を誰かに頼んだり、処理してもらったりする支援のこと
【自律的支援】助けを得ることで、以降は自力で問題に対処しやすくなるような支援のこと
自分の「モチベーション」を高めるものを知る
まず、以下の8つの質問に答えましょう。
回答は文章ではなく「単語」を用いてください。
じっくりと考えるのではなく、心に浮かんだ単語を1つ、なるべく早く書き出してください。例)優しさ
① 人間の資質や特徴について、自分にあったらいいと思うものはなんですか?
② 人間の資質や特徴について、自分に無くてはならいと思うものはなんですか
③ 自分にあったらいいと思う人間の資質や特徴をもう一つ書いてください。
④ 自分に無くてはならいと思う人間の資質や特徴をもう一つ書いてください。
⑤ ③にもう一度答えてください。
⑥ ④にもう一度答えてください。
⑦ ③にもう一度答えてください。
⑧ ④にもう一度答えてください。
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結果発表~、自分のタイプは?
【あったらいいが浮かびやすかった人】獲得型
【なくてはならないが浮かびやすかった人】防御型
「成功するパターン」を頭に入れておく
まず、以下の6つの質問に答えましょう。
① 懸命に頑張って何かを成し遂げることが多い。
1:全く当てはまらない
2:
3:
4:
5:よく当てはまる
② 新しく始めたことを、上手くできる方である。
1:全く当てはまらない
2:
3:
4:
5:よく当てはまる
③ 人生で成功するために、積極的に行動してきたと思う。
1:全く当てはまらない
2:
3:
4:
5:よく当てはまる
④ 子供の頃は、親が定めた規則に従っていた。
1:全く当てはまらない
2:
3:
4:
5:よく当てはまる
⑤ 子供の頃、親が許可しないことはしないようにしていた。
1:全く当てはまらない
2:
3:
4:
5:よく当てはまる
⑥ 慎重に行動しないと、失敗することがある。
1:全く当てはまらない
2:
3:
4:
5:よく当てはまる
答えが決まったら
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結果発表~、自分のタイプは?
【1~3の合計】獲得型のスコア
【4~6の合計】防御型のスコア
どちらのスコアが高かったでしょうか?
獲得型の目標には、獲得型のアプローチを!
防御型の目標には、防御型のアプローチを!
- 獲得型と防御型の仕組みを理解することで、目標や行動を適切に選択しやすくなり、到達までの道のりも楽しみやすくなる。
- 難しい目標に取り組むには、まず獲得型のアプローチ(達成によって得られるメリットに注目する)で達成を目指し、達成後は防御型のアプローチに切り替えること(得たメリットを失わないことに注目する)
- 「鹿狩り」の喩え
【正答】 撃ち、鹿がいた場合
【誤答】 撃ち、鹿がいない場合
※防御型思考の人はこれを嫌がるので「ノー」を選択する「保守的傾向」がある
【機会損失】撃たず、鹿がいた場合
※獲得型思考の人はこれを嫌がるので「イエス」を選択する「リスク傾向」がある
【正棄却】 撃たず、鹿がいない場合
「いい方法」で進んでいると感じながら続けることが重要
自己決定理論
エドワード・デシ、リチャード・ライアン
関係性、有能感、自律性、
本物の幸福
マーティン・セリグマン
マーカーペンとおもちゃの実験
リチャード・ニスベット
他者に動機付けを与えるために報酬を利用する際は、内発的動機付けが低下する仕組みを理解したうえで、状況に応じて適切に用いることが大切。
子供の選択の感覚に関する実験
ダイアナ・コルドヴァ
与えられた目標を「自分の目標」に変える
時とに目標を与える際、相手に「選択の感覚」と「自律性」を持たせることは、相手がその目標を自分自身ののものとして自然に受け入れるようにするための、最善の方法。
これを心理学では「内面化」 と呼びます。
内面化とは、外的な規範や要求を自らにとって価値あるものとして受け入れることを差す。
「求めているもの」と「障壁になっているもの」を明確にする
「フレーム(枠組み)」を提示することで、それが自分にとって何を意味するのか、どのような価値があるのかを意図的に作り出すこと。被験者が無意識に特定の目標に向かうよう仕向けること。
つまり、評価の方法を知らされるだけで、目標の捉え方が変わるということ。
心理学者は、フレーミングを行っていることを相手に悟られないように細心の注意を払います。フレーミングを活用する場合はこの点に注意。
例)
獲得型/防御型の実験では、課題を提示する際に「それをうまく行うと得られるもの」に注目させることで獲得型の目標に、「失敗すると失うもの」に注目させることで防御型の目標に導けます。
習得型/証明型の実験では、課題を提示する際に「価値ある技能を身につけるチャンス」であり「繰り返し行うことで技能が向上する」と伝えると習得型の目標に、「成績を他者と比較する」「成績で能力(創造性、知性、運動能力)を評価する」と伝えると証明型の目標に導けます。
見本のエピソードで「刷り込み」をする
アドラーの例
「目標を達成できないのは、何をすべきかを知らないからだ」と考えがちですが、実際にはそうとも限りません。
問題のほとんどは実行そのものにあります。
足りないのは「行動」なのです。
原因は
- 忙しすぎて目の前にある行動のチャンスに気づかない
- 目標に合わないアプローチをしている
- 目標が他の目標と競合している
- 誘惑への対策が足りない
- 行動を先延ばしにしてしまう
- 自信を失う
- すぐにあきらめてしまう
このように問題を知るだけでは十分ではありません。大切なのは、どう対処するかです。
目標達成の道のりでぶるかるさまざまな障害物とおちいりやすい落とし穴
- 選択肢が多すぎて行動のチャンスを逃す
- つまらないと感じていることは、どれだけ重要と分かっていても後回しにしたくなる。「忙しくて時間がなかった」という言い訳をする結果となる。
- 「現状を知る」ことを避けてしまう
目標達成の過程で犯すさまざまな過ちは、2つのカテゴリーに大別できる。
制御不足
何をするか分かっていながら、行動が不足していることで、最も一般的な問題。
- 機会を逃すこと
- 自己監視をしないこと
- 自制心が足りず、誘惑や衝動を抑えきれないこと
誤制御
効果の低いアプローチを選んでしまうこと。
誤制御について的確なアドバイスをすることは簡単ではない。ある目標ではうまく機能するアプローチも、別の目標ではほとんど効果がない場合があるため。あらゆる目標に当てはまる万能型のアプローチはない。
この場合は、最善のアドバイスは「自己監視をしっかりと行うこと」。誤ったアプローチを続けることで手遅れになる前に新しいアプローチが必要かを判断するための最善の方法は、自分のパフォーマンスを把握すること。
- 誤った方法を用いている場合
準備を怠ることは、失敗するための準備をするようなものだ ベンジャミン・フランクリン
神様を笑わせたかったら、君の計画を話せばいい ウディ・アレン
人生とは
他の計画を立てていて忙しいときに
あなたに起こる出来事のことである ジョン・レノン
うまくいかない計画には、理由がある。
例)
「痩せる」という目標に対して、以下の計画を立てる人がいます。
- ステップ1 食べる量を減らす
- ステップ2 運動する量を減らす
一応、計画らしくは見えます。でも、これはひどい計画です。
このような計画は、きわめて効果が薄いことがわかっています。
理由は、これはごく大まかな行動を書き出したにすぎません。肝心な部分が、すっぽりと抜け落ちているからです。
例えば、食べる量をどれだけ減らするのか、何を食べないかが全く分かりません。運動をする時間も、場所も、方法も指定されていないためです。
目標と同じく、計画も”つくり方”がとても重要です。
効果的な計画とは以下を具体的に示すもの
- 何を
- いつ
- どこで
- どのように
ドイツ、コンスタンツ大学 社会心理学者 ペーター・ゴルヴィツァー
「現代人の休日の過ごし方」の実験
ゴルヴィツァーが実験で用いた計画の美しい点はシンプルさ!
実行意図の形成
「もし~であれば、~をする」という「 if - then 」式の計画で「条件型計画」と呼びます。
- まず、目標を決める
- 次に、具体的に「いつ」「どこで」「どのように」その達成のために行動するかをはっきりと決める
例)
- ステップ1 食べる量を減らす
- ステップ2 運動する量を減らす
↓ - ステップ1 食事量を1日1500カロリー以下に抑える
- ステップ2 毎週、月、水、金曜日に、出勤前にスポーツクラブで1時間運動をする
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条件型計画での解釈 - ステップ1 1日のうちに1500カロリー摂取したら、それ以降は食べ物を口にしない
- ステップ2 月曜日の朝は、仕事前にスポーツクラブへ行く
なぜ、「条件型計画」が効果的か?
目標達成の過程で最も頻繁に遭遇する問題は、行動の機会を逃してしまうこと。この問題が生じる理由としては、他の目標のための行動をしていたり、他のことを考えているために目標そのものを忘れてしまったり、行動する機会が訪れてもそれに気づけないことがあげられます。達成のための行動が、難しかったり、楽しくないものだったりすることが、原因である場合もあります。これらのさまざまな理由によって、行動の機会は、わたしたちの指の隙間から絶えず零れ落ちてゆきます。
逆に言えば、成功のカギは、機会を逃さない方法を学ぶことに他なりません。
それを実現するものが「条件型計画」なのです。
目標達成行動を、いつ、どこで実行するかを決めると、脳内で驚くべき作用が生じます。計画を作るという行為によって、上京や手がかり(if)と、それに続く行動(then)が脳のなかで強く結びつくのです。
さらには、計画と行動の結びつきが起こります。(if)の条件が生じると、次に取るべき行動が、はっきりと自覚することなく、自動的に生じるのです。つまり、脳は次に何をすべきかをすでに分かっています。計画によって、すでに何をするかは明確だからです。脳はどのような行動を取るかについて迷うことなく、ただ計画を実行できます。
なお、この行動は無意識に行われる場合もあります。はっきりと、計画に従っていると自覚して行動することもあるのです。重要なのは、意識してもしていなくても、「計画」によって「行動」が生じるという点です。他のことを考えていても、実行しやすくなるという大きなメリットがあります。
ゴルヴィツァーは、条件型計画は「即席の習慣」を作るものだと述べています。
つまり、計画を立てることは、習慣を意図的に身につけることを意味します。
条件型計画の長所
- もっとも貴重な動機付けの源である「自制心の浪費」を防いでくれる
無意識に行動が取れるので、意思の力をあまり使わなくて済み、自制心を節約してくれる - 望ましくない行動(誘惑に負ける)の抑制
- 目標達成に悪影響を及ぼす思考や感情への対処
少ない自制心でも動ける4つの方法
- はじめる前にやめる
- 「なぜ」という理由を考えること(長期的な目標、価値、理想への着目)
- 自制心が多く求められる目標を同時に2つ以上行わないこと
- 証明型の思考や目標設定の活用(適切な報酬)
(強靭な)精神力 心理学者 アンジェラ・ダックワース Duckworth Grit - アンジェラ・リー・ダックワース 「成功のカギは、やり抜く力」 TED