書籍『なぜ「戦略」で差がつくのか。―戦略思考でマーケティングは強くなる―』
戦略の定義とその定義による戦略でつく「差」の説明。
よい目的の設定方法についての記述がとても勉強となった。
そもそも、戦略とは、、、
目的達成のための資源利用の指針
目的設定について
いい目的を持つとは?
「新商品Xを早急に市場導入する」はいい目的か?
実際、年次や中期の目的としてこのような文章を目にすることも少なくない。
ところがこれはあまりいい目的ではない。
そもそも、どうして新商品Xを導入したいのか、その目的を明らかにしておきたい。
導入に集中するあまり、導入そのものが重視されるような事態を招くことになる。
手段が目的化した結果、残念なことになった企業やブランドをいくつも見ている。
なぜこういうことが起きてしまうのか。
目的と手段は相互に関連しているという構造にも起因する。
上位の目的を達成するための手段は、下位の目的になる。
新商品Xの導入にしても、上位の目的、例えば「2年以内に市場シェア首位を獲得する」といった目的の達成手段のひとつであるだろう。
新商品Xのプロジェクトチームにとってみれば、新商品Xの導入は最重要目的である。
導入までには多大な困難を乗り越えていかなければならない。
その過程で、導入こそが最大の目的となっていく。
目の前にある導入の困難が、導入後のことを覆い隠してしまう。
導入さえすれば、あとはなんとかなる、という気運が支配的になることもある。
新商品Xが組織にとって重要なプロジェクトであればあるほど、新商品X導入に関わる困難について議論をすればするほど、組織全体の新商品X導入そのものへの関与度が上がっていき、いずれその導入自体が目的化してしまう。
説明したように、上位の手段は下位の目的となるのは必然的な構造だ。
行動計画はあくまで手段である。その向こう側には達成すべき目的があることを忘れるべきではない。
いい「目的」には曖昧さがなく、自己目的化した手段であるべきではない。
曖昧さと自己目的化を回避した、いい「目的」を設定するためにはどういう配慮をすべきだろうか。
よい目的の持ち方
目的を「再解釈」することでよい目的となる。
再解釈の方法
①なにが問題か?
②「ある場合とない場合」を問う
解決すべき問題がうまく定義付けられた地点で、
問題の半分は解けたようなものだ。
A problem well defined is half solved.チャールズ・ケタリング 発明家 米国