書籍『ブランド力』
- 作者: 関野吉記,日経BPコンサルティング,Hama-House
- 出版社/メーカー: 日経BPコンサルティング
- 発売日: 2017/04/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「ブランディング」の本。
私のブランディング観(こっちの方が多いか。。。)と混ぜつつ紹介。
はじめに
ブランドの語源は“burned”、つまり「焼き付けられた」という言葉。自分の家畜であることを示すために牛などに焼印を押していた習慣が起源。時を経て、他のものと区別して自社の製品の価値を示すために、刻印として用いられるようにもなった。
ブランドとは
ブランドとは、企業商品サービスの最深層の存在定義。してそれを続けることで、企業商品サービスがよいステークホルダーを集められる仕組みのこと。
ブランディングとは、この「よいステークホルダーを集められる仕組み」を作り継続的実施をすること。
ブランド力とは、この「よいステークホルダーを集められる仕組み」の能力のこと。
ブランディングによって、最終的にできるものはコミュニティ。
ステークホルダーとは
ステークホルダーとは
- 社員
- 社員の家族
- 株主
- 関係会社
- 顧客
などの人々のこと。
よいステークホルダーとは
「この企業・商品・サービスはすごいんじゃないか」と思ってくれるステークホルダーのこと。
仕組みとは
あえて、仕組みという表現をしているには理由がある。
後述するが、ブランディングは「企業や会社側が、私は〇〇です、〇〇します」というようなものではなく、「顧客などの相手に、あの商品/サービスは〇〇だ(好き、すごい)」と言ってもらうためのもの。
つまり、他者に感じてもらいたいことや言ってもらいたいことを考え、感じてもらえるように言ってもらえるように設計しカタチや施策へと落とし込む必要がある。
そして、相手はこの一連の流れの存在に気付かないまま、「好き」になり「好きです」と発言するに至ることから「仕組み」と表現。
例|カッコイイ
施策
- ターゲットがカッコイイと感じるような、商品名・ロゴ・デザインにする
結果
- 「この商品はカッコイイです」と会社側が考えるものが売りに出る。
施策
- 上の「マーケティング施策」を10年続ける。
結果
- 「あれカッコイイな、どんな(どこの)商品だろう?」と感じてもらえる。
- 「これカッコイイでしょ。先週見つけたんだ。」と言ってもらえる。
ブランディングとは
「この企業・商品・サービスはすごいんじゃないか」と思ってくれる仕組みを作り継続的実施をすること。
ブランドによってできるコミュニティとは
ブランドによってできるコミュニティとは
- 社員とその家族の会社コミュニティ
- 株主コミュニティ
- 関係会社コミュニティ
- 顧客コミュニティ
などのコミュニティのこと。
ブランディングの3ステップ
ブランドを作っていく=ブランディングの3ステップを紹介。
ステップ1:合意
会社やスタッフなど内部コミットメント。
ステップ2:表明
顧客や関係会社など外部アナウンスメント。
ステップ3:継続
スタッフや商品サービスによる継続的実施。
ステップ0:変更・最適化
変更の必要性を感じた場合は(よい意味か悪い意味かはともかく)、自分や環境が変化した証である。
これをチャンスだと意図的にとらえステップ1へ戻り、変更や最適化を行っていく。
マーケティングとブランディングの違い&意味
マーケティングとブランディングの違いとは、向き。
向きが逆であるということ!
マーケティングは「私(企業商品サービス)は〇〇です。」と、企業からお客さまへ言うこと。
ブランディングは「あなたは〇〇です。」と、お客さまから企業へ言ってもらうこと。
もし、ブランディングに成功していると(成功している期間はずっと)、お客さまのほうでよいイメージを膨らませてくれる。一見悪い出来事があったとしても、簡単には悪く受け取られない。
ブランディングの今昔
昔と今は時代が違う(取り巻く環境や置かれる状況が違う)から、ブランディングももちろん違ってくる。
昔は・・・
巨匠がデザインをすればよかった。
理由は・・・
世間は共通のトレンドを望んでおり、もちろんお客さまも望んでいた。例えば、巨匠であるなどみんなが知っているネームバリューが求められた。
一般的に好まれやすいデザインや理解しやすいネーミングが求められた。
副次的には・・・
巨匠にオファーするという担当者の自己顕示欲も満たせた。
何かあったときに名前が知られていれば安心という、保険料込みだった。
現在は・・・
仕組みの構築と継続的な実施が求められる。
理由は・・・
メディアの発達などで情報量が増大、SNSなどでのリアルタイムかつ直接的な情報交換が行われる現代では、嗜好の細分化が進み、お客さまは画一的なものを望んでおらず、自分のための企業商品サービスであるということを本心から感じること望んでいるから。
副次的には・・・
スペックなど大企業に有利な要素だけでなく、ブランディングの活用で競合との差別化を働きかけられるようになり、ベンチャーや中小企業にもチャンスが生まれている。
インナーブランディングとアウターブランディング
インナーブランディングとアウターブランディングについて、2つのブランディングの違いを案内。
インナーブランディング
インナーブランディングとは、以下のような社内で行われるブランディングのこと。
ブランドの発信源であり、ブランディングの基本ともいえる。
- 社内浸透
- 採用
- 社員教育
- 研修
- 人事評価制度
- 事業計画
アウターブランディング
アウターブランディングとは、以下のような社外で行われるブランディングのこと。
抽象的にいうと、会社に関連する全てのモノゴト。
- 社名(ロゴやデザイン)
- 商品サービス(ロゴやデザイン)
- サポートデスク
- 広告宣伝
- 広報
- 営業
- 会社に関連するすべて
2つのブランディングは相互補助的
相互補助的な2つのブランディング。
その理由はスタッフの「行動」がお客さまの「経験」を作るから。スタッフの行動(日々の業務、製品・サービス)はどこで決まるかというと、企業理念で違いが生まれてくる(=企業理念へヒトが集まって来る)ので、インナーブランディングはとても重要。
ブランド力向上のためにすること
設備、サービス、社員教育まで一貫して、ベクトルを合わせていくこと。
将来のために種をまくということ。
真偽のほどは問題ではない。
例|ルイヴィトン
ナチスが金塊を運ぶとき破けなった逸話
タイタニック号が引き上げられた時にトランクの中が濡れていなかった逸話
例|リッツ・カールトン
部屋の匂いへのこだわり
優先順位が高くない匂いにこだわるのなら、それよりも優先順位が高いベッドや食事、清掃に関してはそれ以上に気を配っているのではないかとお客さまに感じてもらう。
企業理念は、現在視点ではなく、未来視点で構成する。
現在視点でつくると、今以上のステークホルダーを集めることはできないから。
この先、どういう人が集まってきて、どういう組織をつくっていって、どういう風に社会で存在儀をだしていくのか、それを考えるのが未来視点。
何となくやる企業には、何となくやるスタッフしか集まらない。
人が一番楽しいときっていつ?
自分の成長を感じたとき
成長を感じるときはいつ?
結果が出たとき
評価制度や外部評価などでよい評価をされたとき
自分にしかできない仕事をすべきという概念
縦(営業、エンジニア、人事、経理)ではなく、横(社長、部長、課長、係長)という意味で自分にしかできないということ
ブランディングしていくうえで難しい相手とは?
ずばり社長
社長の器以上には会社はならない
裸の王様になっている可能性
聞く耳がない可能性
とりあえず、ここまで。
- 作者: 関野吉記,日経BPコンサルティング,Hama-House
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- 発売日: 2017/04/13
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